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『女たちは二度遊ぶ』吉田修一

女たちは二度遊ぶ

『女たちは二度遊ぶ』吉田修一 ★★★☆☆

甘く、時に苦く哀しい、美しい女たち、11人のショートストーリー
ルーズな女、がらっぱちな女、気前のいい女、よく泣く女、美人なのに、外見とはかけ離れた木造ボロアパートに住む女……。甘く、時に苦く哀しい、美しい女たち、11人のショートストーリー。気鋭による傑作短篇集。 ----------------------------------------

薄くて、字も大きいので、さらさらと読めました。内容は、男たちが過去に自分と関わった女性の事を回想するという形になっています。少し淋しくなって、でもやっぱり女に生まれてよかったなあと感じました。「どしゃぶりの女」「公衆電話の女」「自己破産の女」「殺したい女」「夢の女」「平日公休の女」「泣かない女」「最初の妻」「CMの女」「十一人目の女」「ゴシップ雑誌を読む女」 が収録されています。

どのお話しの女性も、「いる、いるいる!!」と言ってしまいそうな感じ。そしてどのお話しの男性も情けない。しっかりしていなかったりするんです。

ものすごく「今」「現代」を切り取った作品だなあと感心しました。

印象的だったのは、『殺したい女』・・・タイトルからして怖い。どきどきしながら読み始めた。これは映画のタイトルで、当時付き合っていたあかねという女とレンタルビデオ屋で喧嘩しながら借りて観たビデオ。あかねの実家は、下町にある自動車整備工場。ここに出てくるあかねのお兄さんと父親がすごくいい。口調は乱暴でも、「娘をよろしく」という思いがしんしんと伝わってくるのだ。下町風情の父親と兄に挟まれての男の心理描写がとにかく面白い。あかねはいわゆる元ヤンキー。でも家事は完璧。というか、母親は失踪していない。ここでの主人公の考えとか、すごくリアリティがあってびっくりしました。あと、あかねが憎めないキャラ。

『平日公休の女』・・・ここに出てくる女性の気持ちがすごく理解できた。そして、主人公の男の身勝手さにものすごく腹がたった。そしてここには、彼女の名前がでてこないんです。そう、記憶の中に名前すら無いんです。記憶にあるのは、気前のいい女だったなという事。主人公の男は、この女性とつきあっている感じなのだけど、元彼女の事がわすれきれない。その事を彼女に聞かれれば、「ふっきれた」と言っていた。しかしある日、元彼女から連絡があって。。一方的な別れの時に彼女が口にする「イヤなことしてよ」という台詞が心に刺さりました。

『最初の妻』・・・読後、一番やるせなくなった作品。タイトルにも、これだけは「~女」がついていません。主人公は、中学一年生の時に、同じクラスメートのかずみという少女とデートをするのだけれど。待ち合わせがロッテリア。少女の髪飾りを指を指して笑う。とか、とにかく、ああ、中学生の男子だなって感じ。汽車に乗ってI市に向かうんだけど、その車中の男の子の行動に吹き出してしまいました。ラストは、すごく取り返しのつかない事なんだけど、少女は少し大人で、少年はまだ子供だったんだな。と感じました。

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