『風に舞いあがるビニールシート』森絵都
『風に舞いあがるビニールシート』森絵都 ★★★★☆
愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々を、今日も思っている。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。-----------------
直木賞を受賞された作品。どれもこれも長編でいけそうな粒よりの短編集。
「器を探して」は、仕事場の女上司と彼氏の板ばさみになって苦しい思いをしながらも、自分の価値観を信じる女性の物語り。「犬の散歩」も、女性の心理描写が上手!!たかが犬、されど犬。ボランティアとは?と考えさせられた。子供が出来なくてもそれでいいのだというおおらかな気持ちになれるのが同じ女性として気持ちが良かった。
「守護神」は一番好きだった作品。主人公・裕介は大学の夜間に通うフリーター。単位が危なく、ニシナミユキという有名な人物にレポートを書いてもらおうと頼みに行くのだが。。この裕介の不器用な真面目さがすっごく面白かった。「伊勢物語」や「徒然草」についての解釈がたまらない。ニシナミユキが裕介に言う「死に物ぐるいでやりぬいた四年間は、きっとあなたにとって、将来、一億以上の価値を持つ」という言葉にグッときました。
「鐘の音」では、不器用だけど真っ直ぐな男性に好感を持ちました。「ジェネレーションX」は、若い人の話し方が可笑しくて吹き出してしまった。譲れない男の夢。
ラストの「風に舞いあがるビニールシート」は、かなり重い内容だった。そうゆう意味のビニールシートだったんだ。普段、ささいな事で腹を立てたりするのが、すごく恥ずかしくなる作品。自分は今、生きている、それだけで幸せなんだなと感じました。
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