『いい女』藤本ひとみ
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いい女 著者:藤本 ひとみ |
『いい女』藤本ひとみ 中公文庫 ★★★★
平凡なままでは満たされない!妻として母として一生懸命やっているのに、誰も認めてくれない----。結婚して以来、何よりも家庭を優先させてきた詩織だが、同窓会をきっかけに、女として行きようと決意する。高額エステ、仕事相手との不倫、初恋の男性との再会・・・。夢を実現させようとして、自らの中に閉じこめていた「女」を開花させていく一人の女性の挑戦と変貌をリアルに描く問題作。----裏表紙より。
なかなか461頁と、読み応えのある小説でした。主人公の詩織は、夫と娘2人にとにかく懸命に尽くしています。娘2人のお弁当、みんなの朝食、娘が帰宅した時の夕食、塾で食べる軽食、塾から帰ってきた時の夜食、夫の夕食、夫のつまみ・・・それぞれに、栄養素やカロリー、無添加を考えぬいて作っています。そして、自分の事は後回しにしながらも、フランス語の翻訳という仕事をして、家計を助けています。なんだか頑張りすぎていて、これでは、息が詰まるだろうな。。なんて思いました。共働きなのに、毎日連絡もせずに午前様で、休みの日にはゴルフに出かけて、家の中をいっさいかえりみない夫に少し呆れました。普通、ここまでひどい夫はいないような気がします(;^_^A
同窓会で出会ったエステの経営をしている蜜子。愛人と逢引する為のマンションとか持っていて、別世界の人間みたいでしたー。そんな蜜子の言葉に少しずつ共感して、綺麗に素敵に変身していく詩織を読んでいくのは、同じ女性として楽しかったです。いきなり整形とかいうのではなく、毎日の肌・体のお手入れから頑張っているっていうのがよかったですね。
この作品の中で、翻訳家の詩織は担当者の上司・本多から「コキュ伯爵夫人の艶事」の翻訳で、艶事の描写力が足りないと注意を受けますが、これは藤本ひとみさんの以前に出版した本の題名だったんですね、後で作品リストを見て、びっくりしました。 でも、描写力が足りないからといって、本多さんと一晩共にするというのは、いきすぎでは・・・と感じました。まだ、同窓生の早匂(さかおり)君の方が素敵です。不倫は駄目だと思いますが。
娘2人が反抗するシーンは、なんだか胸が痛かったです。私も今だから母親のありがたみを感じますが、高校生や中学生では、まだありがたみとかは感じないんですね。
とにかく、詩織という人間が、とにかく努力家なので、すごく救われました。
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