『野ばら』 林真理子
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野ばら 著者:林 真理子 |
『野ばら』 林真理子 ★★★
「私たちって、ずうっと 不幸にならないような 気がしない?」 宝塚の娘役である千花は、歌舞伎界のプリンスと目される梨園の御曹司と、親友でライターの萌は歳の離れた評論家と、それぞれの恋を謳歌している。だが、花の盛りのように美しいヒロイン達の日々は、現実の退屈さや挫折、裏切りによってゆっくりと翳りを帯びていく。甘く苦い青春を描いた傑作恋愛長篇ーーー裏表紙より。
読了しました。うーん。『不機嫌な果実』に比べると、そんなに林真理子ワールド全開!!という感じはしませんでした。もちろん、楽しくてグングン読めましたが。宝塚でトップではないが娘役をやっている千花は、「白い練乳をとろとろと泳がせているような肌」「ピンク色の砂糖菓子を思わせる」と形容されるような、とても可愛い女の子である。この辺の形容の仕方とかを読むと、ああ、林真理子ワールドだぁって思いました。千花は、歌舞伎界のプリンス路之介とどうしても結婚して、憧れの梨園の妻になりたいと願います。梨園の妻なんて、とっても大変そう。。としか私とかは思わないんだけれども、華やかな場所に居る女性からすれば、妻の座として梨園は憧れなのかも知れませんねー。この、宝塚の内情も林さんはよく調べていて、へえーー、こうゆう仕組みになってるんだあ、と、何回も「へえー」が出ました。私としては、千花よりも、その親友の萌の方が共感できました。萌は、自分の父親と同じ歳くらいの映画評論家・三ツ岡に恋心を抱きます。萌が三ツ岡にアプローチしている場面は、なんだか微笑ましかったです。そして同時に三ツ岡の中年男性が若い女性に持つ臆病さがよく描かれていました。自分の方から好きとも言わないし、さよならも言わない。フェードアウトを狙う所。読んでいて少しじれったかったですが、こうゆうものなのかもなあ、と妙に感心しました。 なんていうか、もっとドロドロ系かと想像していたんですが、そうでもありませんでした。千花も萌も私から見れば、別に不幸にはなっていません。これからいくらだって未来があるんだなっていう感じの終わり方でした。
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