カテゴリー「31 野村美月」の2件の記事

『”文学少女”見習いの初戀』野村深月

『”文学少女”見習いの初戀』野村深月 ★★★★☆

“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)

聖条学園に入学した日坂菜乃は、ひとりの上級生と出会う。文芸部部長、井上心葉。彼に惹かれ、勢いで文芸部に入部してしまった菜乃だったが、心葉の胸には既にひとりの“文学少女”が宿っていた。まるで相手にされず、落ち込む菜乃。けれど、彼女がある事件に巻き込まれ、追い詰められたとき、心葉は告げる。「気づかないふりも、目をそらすことも、もうしないって誓ったんだ」―文学初心者の少女が物語に隠された真実を探す、もうひとつの“文学少女”の物語。

大好きな文学少女シリーズの外伝。本屋さんでたまたま見つけて、即買いました。もう、このシリーズにははまりにはまっちゃいました。なんていったって主人公が本を食べちゃうくらい本好きな少女なんですもの。普段はライトノベルってそんなに興味をそそられないのですが・・・。以前、西尾維新さんとかちらほら読んだかな。

今回は外伝という事で、残念ながら遠子先輩は登場しません。遠子先輩みたいな”文学少女”に憧れる、高校一年生の日坂菜乃ちゃんが主人公です。主人公が菜乃ちゃんに変わっても、陰のある人たちが登場するし、心をえぐられるような事件が起きます。シリーズの雰囲気は変わっていなくてホッとしました~。しかも、菜乃ちゃんは、とっても親近感のもてるキャラクターで、可愛らしいんです。

菜乃ちゃんは、入学前に校門の所で「先輩!」と叫びながら涙を流す心葉を見て、心が揺さぶられます。そして入学して、心葉のいる文芸部に入部して、告白をします。以前から思っていたけど、心葉君ってもてすぎではないですか?(笑)。クラスメートで美少女の琴吹さんとか・・・。今の時代って、心葉君のような母性本能をくすぐるような男子が人気あるのかな?心葉の菜乃ちゃんに対する態度はとっても冷たいものなんですが、それでも一生懸命な菜乃ちゃん。そんな菜乃ちゃんを放っておけなくて、心葉も一緒に推理(想像)をする事になるんです。今回のベースになっている本は「曽根崎心中」。「曽根崎心中」を読んで、感想を文学少女っぽく菜乃ちゃんは言ってみるんですが、心葉に読みが浅いと言われて、菜乃ちゃんは図書館にいって曽根崎心中について調べようと思うんです。そこで、とても甘い香りを放つ、松本なごむという女の子とお友達になります。なごむは、とっても綺麗なんだけど、どこか淋しそうで、心中に憧れているんです。自分のホームページにも「心中相手募集」とか書いちゃうくらい。

謎解きの所は、読んでいて苦しかったですね。純粋な恋心。肉欲に負けてしまう心のおろかさ。歪んだ尽くし方をする女。・・・心葉君の想像は、遠子先輩には及ばないものの、なかなか核心をついていてすごいな、と感心です。成長しましたね~。ぐずぐず泣いているだけの彼とは違ってきています。これは、もう少し続編が出るみたいなので、今からとっても楽しみです。

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『”文学少女”と恋する挿話集エピソード1』野村美月

『”文学少女”と恋する挿話集 エピソード1』野村美月 ★★★★★(満点)

“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)

柔道一筋、人呼んで「炎の闘牛」。そんな彼が恋をした!清楚で可憐な大和撫子、その名は・・・『”文学少女”と恋する牛魔王(ミノタウロス)』、「このことは内密に」待望の入部希望者が漏らした呟きには、何やら不穏な気配が!?『”文学少女”と革命する労働者(プロレタリア)』ほか、遠子のクラスメイトとの交流や、美羽&芥川のその後など、ほろ苦く甘い、極上のエピソードが盛りだくさん!物語を食べちゃうくらい深く愛する”文学少女”天野遠子と、彼女を取り巻く人々の、恋する挿話集第一弾!!

普段、ライトノベルはあまり手にとらないんだけど、タイトルに惹かれて手にとって、はまりにはまったシリーズがこの文学少女シリーズ。感想はまだアップ出来ていないけれど(汗)。そんな大好きな文学少女のスピンオフ第一弾。

もうすごく楽しい読書の時間でした~。物語りはもう完結しているので、不安な要素がない分、気楽に読み進める事が出来ました。このシリーズは、あまりにも好きだったので、物語が終わってしまうのが嫌で嫌で仕方なかったんですが。。こうやって挿話集とか出してもらえると嬉しい限りです。遠子先輩の本の薀蓄が大好き。ツルゲーネフの『初恋』は、まるでカラメルソースをたっぷりかけた、焼き林檎のようね!短い物語りの中に、人を好きになる歓びや、ときめきや、切なさが、ぎゅっと凝縮されていて、カラメルのようにほろ苦くて、焼き林檎のように熱くて、噛みしめると甘酸っぱい汁が、バターとラム酒の香りとともにこぼれだしてくるのよ・・・とか、すっごい共感しまくりなんですよね~。

一番好きなエピソードは、「”文学少女”と病がちな乙女」かな。「文学少女」ときて、「病気がち」「乙女」と、心をくすぐるキーワードが沢山(笑)。こうゆう古典的なキーワードに惹かれちゃうんですよね。これは、遠子のクラスメイトの女の子の目線で、恋をすることの切なさ、苦しさ、不安さ。まるで病気みたいという事をあらわしている物語りなんだけど、遠子の母親のような優しさが胸にグッとくるお話しだったな。ここで出てくるのは、ロンゴスの『ダフニスとクロエー』。まだ、これは読んだ事がないから、さっそく読みたい本リストにいれなきゃ。

涙腺がウルウルとなってしまったのは、やはり最後のエピソード。大学に入って、周りの異性から合コンに誘われても、告白されても、「読みたい本が沢山あるから」という理由で断ってしまう遠子。そんな遠子が下宿先の屋根裏部屋で涙を流しながら手紙を読むんですけど、なんだかものすごい切なかった~。

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