カテゴリー「27 中島たい子」の3件の記事

『この人と結婚するかも』中島たい子

この人と結婚するかも Book この人と結婚するかも

著者:中島 たい子
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 『この人と結婚するかも』 中島たい子 ★★★★

恋人のいない女と男の勘違いを描いた2編!小さな美術館で働く私。ほんのささいな出会いでも「この人と結婚するかも」と勘違いを続けていたが、ドキドキから醒め、新たな付き合いが始まる・・・。男の勘違い「ケイタリング・ドライブ」も収録。

学食の席で話した男性と、スーパーで同じチーズを手にした男性と、仕事場に来たテレビ局の男性と、”この人と結婚するかも”と妄想・想像してしまう主人公・節ちゃん。しかし今の所彼氏さえいない。

節ちゃんの友達の春子ちゃんはあだ名が「エンゲル大将」とつくほど、お金は食べ物に惜しみなくつぎこむ。 千穂ちゃんは甘いものには見向きもしないオヤジ系。・・・食べる。それだけにでも、その人の考え方っていうか、生き方みたいなものが見えてくるんだなと感じた。主人公の節ちゃんはそば屋さんとスタバ以外では外食しない。ケーキを切る時も、綺麗に切らないと嫌。(ケーキ切るのって難しいですよね)。外食でメニューを見て、本物が来た時のギャップや、食べる人たちへの気遣いが嫌。それは恋愛観や結婚観にも少し繋がっているのかもしれない。

そんな節ちゃんは通っている英語教室でケンという男性と出会い、やっぱり、「この人と結婚するかも」と考えてしまう。ケンと英語教室でまた会えるか、という事をモヤモヤ考えている主人公がおかしかった。そうゆう妄想って私も結構します。

展示会の絵を紛失したと思って探しまくるんだけど、あっけない所にあって、これにはすっごく納得。探して探して「どうしようー」となった物ほど、その辺にあったりする。

ラストは、「結婚」という言葉から少しずつ自分を解放していく姿が心地よかった。

同時収録の『ケイタリング・ドライブ』・・・私は「この人と結婚するかも」より、こちらのほうが好きでした。主人公の思考回路がぐるぐる回って、クラクラして。なんだか森見登美彦さんチックな感じ。主人公は、はっきりいって痛い人なんだけど、すごく純粋。その純粋ゆえのものすごい妄想がすっごく楽しめました。

にほんブログ村 本ブログへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『建てて、いい?』中島たい子

建てて、いい? Book 建てて、いい?

著者:中島 たい子
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 『建てて、いい?』中島たい子 ★★★★

あらすじ・・・長田真里。独身。アパートの二階から階段を降りる途中で、滑った事から、”家を建てよう”と決心する。女が家を建てるとは?ユーモアあふれる作品。

図書館から帰ってきて、楽しみにしていたお話。『漢方小説』、『そろそろくる』ときて、次はなんなのだろう??と思っていたら、なんと「家」でした!!さすがです。

三十路らへんの、独身女性の悲哀を描かせたら、今の所一番ではないかなって個人的には感じています。女性だからアパートは必然的に二階となる。洗濯物が思いっきり干せない・・・など、いろいろ考えながら、雪解けの階段で滑るシーンがなんだかすごく切実でリアル。「四十までには、結婚しよ」と決心するものの、お見合いした相手の福島さんはどうもゲイっぽい。。かなりププっと笑っちゃいました。

結婚をひとまず棚上げにして、今度は「家」を建てようと決心する主人公。すごい決心です。両親が購入していた土地があったというのも、運がいいですよね。時々、心の中で福島さんに問いかける所が「ああ。。」という感じ。女一人で家を建てる。なかなか無い事ですよね。誰かに肯定して欲しいですよね。でも、とりあえず家族がいない分、間取り図や設計など自由にできます。

居酒屋で、福島さんと理想の家について話し合う内容がアーティストって感じで素敵だった。あれやこれやと心配してくれる親戚や友達が居て、なかなか幸せ者では。

併せて収録されている『彼の宅急便』も短いながら、すごく良かった。元彼から送られてくる謎の宅急便に右往左往する主人公。元彼との別れを四柱推命に例えてみたり。いろいろ悶々と考えながらも、心に決着をつけれた主人公に好感を持ちました。

にほんブログ村 本ブログへ

| | コメント (0) | トラックバック (1)

『そろそろくる』中島たい子

そろそろくる Book そろそろくる

著者:中島 たい子
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

『そろそろくる』中島たい子 集英社 ★★★★

三十歳を過ぎたイラストレーターの私。仕事もちょっとうまくいかないが、「そろそろくる」ころ、むきかけのゆで玉子を流しに叩きつけたり、呼吸困難におちいりながら泣きじゃくったり、嗚咽しながら冷蔵庫を開けたり閉めたり…。ひょんなことから彼になった友人の弟と、この不快さの原因を調べながら折り合っていく。癇癪、イライラ、過食、最悪だわ…原因はPMS?そして恋のゆくえは。話題になった『漢方小説』の著者が描く体と恋。

『漢方小説』という作品が気になっています。その作者さんの『そろそろくる』というなんとも不思議なタイトルの本を読みました。

お・面白かった!!装丁からして、ものすごくけだるそうな女性が描かれています。生理前の状態なのですね。

主人公の秀子は、PMS(生理前に身体の具合が悪くなったり、精神が不安定になる)に悩まされます。最初は自分の不安定な精神がPMSだとは知らないで むきかけのゆで卵を投げたり、クッキーを馬鹿食いしたり、泣きじゃくってみたり、冷蔵庫を開けたり閉めたりしてみたり、仕事で描いたイラストをゴミ箱に捨ててみたり、母親とささいな事で喧嘩したり、と、とにかく大変です。

しかし、一旦生理が始まると、本当にポジティブ思考になり、落ち着きます。そのギャップが激しくて可笑しかった。自分が荒らした部屋を、「泥棒?」と勘違いしたり(笑)。

秀子の姉と母親は生理で悩んだ事なんてありません。どうして自分だけ??みたいな疑問がわきます。姉は結婚して子育てしながらパートにも出ている。。それを「サイボーグ」とあだ名をつける気持ちがすっごく共感でしたね。私もすぐに貧血をおこしたりめまいがしたりするので、仕事と母親業を両立させている女性って「いつ寝てるの??」って尊敬します。

秀子の視点や思考がすごくリアルで可笑しかった!!父親と会って一言目が「おまえの顔、吹き出ものがすごいな」です。キィィ!!となる秀子の気持ち、わかるような気がします。

ここに出てくる親友の芸術仲間の育枝ちゃんも、同級生であり仕事先の知人である二宮さんことニンニン(ハットリ君に似ている)も、同じくPMSと闘っています。お肉をモリモリ食べたり、意味無く子供を叱ったり・・・。秀子の父親の会社の人の奥さんは万引きをしてしまうとか。。いくらなんでも万引きは。。って思うけど、ホルモンのしわざだと思うとなんだか怖い(^^;;;。

『文句言うなら、ホルモンにいってよ』という台詞に吹き出しました(笑)。

育枝ちゃんの弟のバツイチの基樹君と、秀子は付き合う事になるんですが、それにもいろいろとPMSが関係してきます。基樹君に惹かれたのは、PMSで不安定だったから??と秀子は少し迷いますが、違うと思いました。基樹君みたいな やんわり な感じな人、素敵だと思います。

そして、男版PMSがでてきます。基樹君の行動です。ここまでPMSと絡めてくるんだってびっくりしました。うーん。。人間なら生きていれば 時には反対方向に進んでみたくなる衝動ってありますよね。理性でそれを抑えるか、欲求に従うか のどちらかじゃないんでしょうか。

この本を男性が読んだら 一体どんな感想を持つのかなあ??興味あります(*^.^*)

私自身は、鈍感なのか、PMSの経験はありません。生理通はありますが。でも、姉がどうもそうらしいです。どうにもイライラするので、改善の為に筋肉をつけようと、旦那さんと一緒にあの『ビリーザブートキャンプ』をしているみたいです。

にほんブログ村 本ブログへ

| | コメント (2) | トラックバック (2)