カテゴリー「23 辻村深月」の2件の記事

『冷たい校舎の時は止まる』上中下 辻村深月

『冷たい校舎の時は止まる』辻村深月 ★★★★☆

冷たい校舎の時は止まる (上) (講談社ノベルズ) 冷たい校舎の時は止まる (中) (講談社ノベルズ) 冷たい校舎の時は止まる  (下) (講談社ノベルス)

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう―。第31回メフィスト賞受賞作。

長かった~。ちょこちょこ休憩しながら、時間をかけて読みました。長いといっても、個人個人のエピソードがしっかり作りこんであって、飽きることはありませんでした。

学生時代(大学を除く)って、頭の中は、ほぼ学校の事で占められていたような気がします。楽しい事も、不安な事も、気になる異性の事も。このお話しのホストが、舞台を校舎にしたのも、納得かな。

思春期の頃って、神秘的だと思うんですよね。情緒が不安定なあまり、ポルターガイストみたいな超自然現象を起こしてしまうパワーがあると思います。このお話しも、ミステリィはミステリィなんだけれど、心理学的な部分に魅力を感じました。

読みながら、「あれ~??なんかモヤモヤする」と思っていたら、最後の最後に石で頭を殴られたような衝撃を受けました。ちなみにラスト近くの読者への挑戦状は、正解でした♪

進学校特有の雰囲気がよく描けているなあと感心。しかし、登場人物がみな落ち着いて冷静で、大人っぽかった!!

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『凍りのくじら』辻村深月

凍りのくじら (講談社ノベルス) Book 凍りのくじら (講談社ノベルス)

著者:辻村 深月
販売元:講談社
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 『凍りのくじら』辻村深月 ★★★★★(満点!)

藤子・F・不二雄をこよなく愛する、有名カメラマンの父・芦沢光が失踪してから五年。残された病気の母と二人、毀れそうな家族をたったひとりで支えてきた高校生・理帆子の前に、思い掛けず現れた一人の青年・別所あきら。彼の優しさが孤独だった理帆子の心を少しずつ癒していくが、昔の恋人の存在によって事態は思わぬ方向へ進んでしまう…。家族と大切な人との繋がりを鋭い感性で描く“少し不思議”な物語。

この本は、以前に雑誌ダ・ヴィンチでプラチナ本として紹介されていた時に、本屋さんで購入したもの。何故か今まで読まずに、本棚に眠らせていました。すっごく面白かった!!どうしてもっと早く読まなかったの?私!!という感じ。

章ごとのタイトルが、「どこでもドア」「カワイソメダル」「もしもボックス」「いやなことヒューズ」「先取り約束機」「ムードもりあげ楽団」「ツーカー錠」「タイムカプセル」「どくさいスイッチ」「四次元ポケット」と、どれも、ドラえもんに出てくる道具の名前になっています。しかも内容が、タイトルの道具にすごくマッチしていて、ぴったり。

主人公の理帆子は、Sukoshi Fuzai(少し不在)な女の子。場の当事者になることが絶対になく、どこにいてもそこを自分の居場所だと思えない。とても息苦しい性質。理帆子の、思春期特有というか、自意識過剰な感じが、「こんな人もいるんだ~」と、不思議な感覚で読みました。友達と自分との距離をいやに冷静に考えていたり。カオリや美也ちゃんとか。学校(進学校)でも、目立ちたがり屋の加世と、友達が少ない立川さんと自分との関係をものすごーく冷静に傍観してる感じ。

後、別所あきらと理帆子との会話が、「ええ!!これが高校生カップル(?)の会話??」って感じだった。なんて大人びてるんだ。

そして、辻村さんは、駄目男を描くのがすごく上手だと思う。ここに出てくる、理帆子が、なかなか手を切れないでいるモト彼・若尾大紀がどんどん壊れていってしまう様が、異常にリアルで、すごい勢いで読んでしまいました。モト彼をカワイソメダルで表現しているのが、実に上手い。このモト彼が最後にやってしまった事は、すごく不愉快で情けなくて、腹がたちました。

理帆子が、母親の死に直面した時、多恵さんから作ってもらったポーチをなくしたと、泣きじゃくる理帆子の気持ちがなんだかすごく理解できて、辛かったです。母親が残してくれた芦沢光の写真集の所は、ウルッときました。

ラストは、まさにSF。Sukoshi Fushigi(少し不思議)。素晴らしい。

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