『小説以外』恩田陸
『小説以外』恩田陸 ★★★★★(満点)
本好きが嵩じて作家となった著者は、これまでどのような作品を愛読してきたのか?ミステリー、ファンタジー、ホラー、SF、少女マンガ、日本文学・・・あらゆるジャンルを越境する読書の秘密に迫る。さらに偏愛する料理、食べ物、映画、音楽にまつわる話、転校が多かった少女時代の思い出などデビューから14年間の全エッセイを収録。本に愛され、本を愛する作家の世界を一望する解体全書。
ふふふ。読書が大好きな恩田さんのエッセイ。短いエッセイがぎっしり詰まっているので、日常の隙間(お風呂の前とか)に、ちびちび読むつもりが、なんだか速いスピードで読んじゃいました。ちょっと意外だったのは、あんなにいろんなジャンルのお話しを次々と生み出されていらっしゃるのに、エッセイとなると苦手・・・という事。なんとなくエッセイも虚実入り乱れてスラスラと書いちゃうイメージがあったのですが。
もう、読んでいて共感しまくりでした。本好きさんなら必ず一度は思うだろう、「もっと本を読む時間が欲しい」という願い。しかも恩田さんは事務のお仕事をしながら、夜中にこっそりと小説を書くという生活を送っていた時期があったらしいので、それは本はなかなか読めなかったでしょうね~(汗)。社会人になると、本をハードカバーで買えるようになるかわりに、仕事や遊びやお付き合いなどで買った本を読めなくて結局積読状態になってしまうんですよね。
本書を読むと、ああ、こうゆう所から物語りのヒントを得ているのだな、という恩田さん独特の感覚が分かります。日常にある鏡、押入れ、中庭、引き出し・・・ありとあらゆるアイテムが恩田さんの創作意欲を沸き立てるんだな~としみじみ。恩田さんのスケジュール帳の後ろには、「読まねばならぬ本」リストがあるそうです。それが日に日に増えていっているという。。(ものすごい親近感です)。お気に入りのソファを購入したものの、まだそのソファの上でゆっくり本を読んだ事がないという箇所では、笑っちゃいました。このエッセイには、この時点で恩田さんが将来書きたいと思っている小説の構想が結構載っていました。もちろん、それは着実に本になっているようです。すごいな。本に関する事が満載だったので、とにかく楽しめました。恩田さんの本にまつわるエッセイ、他にも読みたいなあ。
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