
『猫は密室でジャンプする』柴田よしき ★★★★
今年8作目。
名前・正太郎(雄猫)、毛色・八割黒に二割白(長めの毛足)、飼い主・桜川ひとみ(ミステリー作家)、住まい・琵琶湖近郊、友犬・サスケ(チャウチャウ系の雑種)、特技・推理―。飼い主を“同居人”と呼び、明快な推理で事件を解決してしまう正太郎。謎解きには、こだわりや、仕掛け、いたずらが満載。猫好き、ミステリー好き絶対満足。猫探偵の六つの事件簿。
個人的には、私は犬を飼っているので、わりと犬派なんですが、最近猫もものすごく好きになりました。もう、大阪弁の猫の正太郎が可愛くて、しかも知的で面白かったです。
6編からなっているんですが、柴田さんはやっぱり上手だなぁって感心しました。マンネリになることなく、視点がいろいろと変わった構成になっていて退屈する事なく楽しんで読めました。
『愛するSへの鎮魂歌』・・桜川ひとみ著作の「愛するSへの鎮魂歌」という短編を読んだある男は、自分のイニシャルがSという事もあり、桜川ひとみこそ、自分の運命の相手である!と思い込み、彼女に近づくべく、様々な手をつかうが・・・。 ストーカー男性のお話です。視点がストーカーという事もあって、なるほど、こうゆう風に妄想を膨らませるんだ、と可笑しかったです。
『正太郎とグルメな午後の事件』・・正太郎の飼い主、桜川ひとみと、浅間寺のおじさんと、その飼い犬のサスケと、グルメ記事の取材にでかける事になったのだが、どうも誰かにつけられている・・・。ふふふ、桜川ひとみという女性がかなりユニークな事がわかる作品。ここに出てくる食べ物がすごく美味しそうでお腹がなりました。麦代餅・あぶり餅・豆餅。食べたい。
『光る爪』・・徹の愛人の女性は、わざと徹の背中に爪をたてて、あとを残した。奥さんへのメッセージとして。そして徹は、それを飼い猫のしわざという事にするが・・。すごく切ない事件。愛するがゆえに。好きだからこそ。男のうそ。男の勘違い。なんとも後味がしょっぱい作品でした。
『正太郎と花柄死紋の冒険』・・マンションの花壇の中で殺されていた猫は、ダイイングメッセージを残していた。足跡を花柄のようにつけて・・。 この本の中で、個人的に一番好きな作品。マンションで飼われているいろんな猫が集まって、会議みたいなものを開くんですけど、それが各々個性的で、大阪弁で楽しい。飼い主の桜川ひとみの不純な動機での朝の散歩が少し共感できて楽しかった。
『ジングルベル』・・29歳の葉月は、クリスマスを前に焦っていた。クリスマスを一緒に過ごしてくれる男性がいないのである。そこでいろいろ奔走した上で、理想的な相手をみつけたのだが・・。 うーん。独身の私にとっても、すごく胸が痛い話し。私はクリスマスとか、あんまり気にならないけど、結婚はやっぱり気になるし。でも、教えられました。焦っていると大切なものを見落とすという事を。結果オーライです。
『正太郎と田舎の事件』・・ミステリのネタに困った桜川ひとみは、いかにも舞台になりそうな蔵を持っている玉村一馬の家に、浅間寺のおじさまと共に、遊びに行くことになったのだが、そこには「密室殺人」が待っていた・・。 わりと本格ミステリという感じでした。壊された腕時計・ビデオの仕掛け など等。ああ、こうゆう風にして、殺人が計画されたのか!!やられた!!でした。

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