カテゴリー「11 川上未映子」の2件の記事

『乳と卵』川上未映子

『乳と卵』川上未映子 ★★★★☆

乳と卵 Mieko

姉とその娘が大阪からやってきた。三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。姪は言葉を発しない。そして三人の不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく。第138回芥川賞受賞作。

やっと読むことができました。嬉しい。ずらずらと句読点なく進む文体が何故だか心地よい。この書き方だからこそ、こうゆう女性の性についての考察(?)みたいなのがおもしろく読めるのかしら??

装丁も素敵。女性の体の丸みをあらわしているような感じ。

母親の巻子の、豊胸手術願望には、いまいち共感出来なかったけど、娘の緑子の自分の身体が勝手に成長していく事への不安・嫌悪・恐怖にはすごく共感した。だんだんとふくらんでいく胸、ブラジャーなんてものにも挑戦しなくてはいけないし、初潮なんて来た日には、自分の身体なのに勝手に血が出て、お腹が痛くなって、体がだるくなって。。あまりいい事ないんですよね(苦笑)。もちろん、子供を生む為の大切な機能なんだけど、それは子供を生みたいと考えるであろう5年間くらいでいいのでは?と思ってしまう。それ以外の月日は、ただただうっとうしいものなのだ。

えんえんとしゃべり続けるような文体なのに、そこに登場する緑子は言葉を話しません。そこがバランスいいな~と思った。

巻子との銭湯での行動や会話から、何故か「大人になってもみんな乙女」みたいなイメージがふつふつと沸いてきました。

後、川上さんのアルバムを聞いてみました~。詩がやはり印象的。哲学的だった。わりと静かな曲が多かった。

にほんブログ村 本ブログへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』 川上未映子

そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります

『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』川上未映子 ★★★★★(満点!)

女子の世界は妖しくて愛しくて我武者羅でときどき、こわい-。2003年8月29日夜明け前から2006年8月29日誕生日の夜まで、文筆歌手・未映子の3年に渡る日記。ブログ『未映子の純粋非性批判』に加筆修正。

読み始めた時は、関西弁についていけるかな??なんて思っていたのですが、読み進めていくうちに、見事にはまりました。文章のリズムがすごくいい。計算されつくしているのか、感性なのか、とにかく興味深かったです。

 それまでの季節を洗濯機に入れたのは二十歳のこと。それをきしめんにして、

 きざんで乳液にまぶす。で、君の粒だった背中を保湿したのもいつかの荒れ狂う

 最大の四月のことであった。

こんな風な詩的な文章がちらほらあって、わあ、さすが作家だけではなく、アーティストなんだなあと感じます。

幼い時、お姉さんとお金を貯めてシルバニアファミリーの暖炉を千円持って買いに行くんだけど、川上さんがおもらしをしてしまって、お姉さんが三枚千円のパンツを買ってきてくれた事や、お姉さんが赤ちゃんを産んだ事により急に自分の中の母性に気がついたり、個人的に私にも姉がいるので、あの、「幼い頃の世界のすべては姉だった」感じがすごく共感です。

後、川上さんのお母様への想いが胸にキュンと染みます。自分は本を読んだり、歌詞を考えたりしている間にも、おかあちゃんは働いとる みたいな、切なくなっちゃう場面があります。

東京に上京されて何も無い部屋に初めて置いたサボテンへのおもい。毎月の生理へのおもい。幼い頃の両親の壮絶な闘いへのおもい。ゴッホへのおもい。

どれもこれもが素晴らしくて、川上さんは私にとって注目の作家さんになりそう。

にほんブログ村 本ブログへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)