『夜の公園』川上弘美
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『夜の公園』川上弘美 ★★★
わたしいま、しあわせなのかな――寄り添っているのに、届かないのはなぜ。恋愛の現実に深く分け入る、川上弘美の新たなる傑作長篇
このお話しを、今の私の年齢で読んで良かった。助かった。という感想です。例えば、これを28歳の頃の私が読んでいたら、登場人物の誰にも共感出来なかっただろうし、「不倫なんて最低。汚らわしい」と、最低の書評になっていたと思う。といっても、もちろん個人的には不倫なんて好きではないんだけれど。
こうゆうお話しを、いやらしくならないで描ける川上さんってすごいなあと思います。江国香織さんほどまでは不倫を美化していないけど、綺麗にかけてるなと正直思いました。
主人公のリリ・夫の幸夫。リリの親友でありながら幸夫と不倫する高校教師の春名。リリの不倫相手の暁。暁の兄であり、春名に思いを寄せる悟。それぞれの目線から語られる、恋愛模様。リリと春名、どちらの心境も、少し共感できました。好きな人と結婚して、住む場所もあって、夫は優しい。でも、「いま、しあわせなのかな?」と深く考えてしまうと、もうぐるぐると違う!違う!なんとなく違うという微妙な気持ちになってしまう。人間ってそういうものじゃないのかな。そうゆう事を考えない為にも、忙しく働き、赤ちゃんの誕生、30年ローンでの住宅設計とかをするんじゃないだろうか。夫婦二人を離れられなくする為に。一方、春名の気持ちも痛いほど共感できてしまった。好きな人には奥さんがいる。わかってる。わかっているんだけれども、逢いたい。また逢いたい。その人(幸夫)の事ばかり考えると頭がおかしくなってしまいそうだから、他の独身男性ともデートをする。
寄り添っているのに、「愛している」または「愛されている」という感覚を感じられないのは、きっとすごくつらい事なんだと思う。ちょっとしみじみとした作品でした。
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