『家日和』奥田英朗
『家日和』 奥田英朗 ★★★★☆
ネットオークションにはまる専業主婦。会社が倒産し、主夫となる営業マン。夫と妻。ちょっとずれていて、でも愛情がないわけでなく…。ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。ビター&スウィートな「在宅」小説。
漫画化もされている本作。読んでみてなるほど、と感じた。奥田作品には外れがない気がする。欲をいえば、一つ一つの作品を長編にして、読ませて欲しい。
ネットオークションで相手から褒められた事がきっかけでどんどんはまっていく主婦のお話、『サニーデイ』は、個人的にオークションなんてした事がないけど、なんとなく紀子の気持ちがわかる気がする。一生懸命出品物の写真を撮ったり、値段を設定したり、可愛いなあ。
『ここが青山』は、職を失った男性って、ここまで素直に開き直れるものなの??という感想。『家においでよ』は、すごく気持ちよかった。ガランとした淋しい部屋が、着々と趣味の部屋へと変わっていく過程にワクワクしちゃった。ラストも明るくて好き。『グレープフルーツ・モンスター』は、一番声を出して笑ってしまった作品。夢を見たいがために、お化粧をしたり、洋服を新調したり、相手の香水を嗅いだり、地味に変態ちっくな行動をする主婦の姿がとてもユーモラスに描かれてあって、そんなばかな、と思いながらも何回も笑った。『夫とカーテン』は、ちょっと頼りない旦那さんだけど、妻がそんな旦那さんをとても愛している事が伝わってきて、心がほんわかした。『妻と玄米御飯』は一番共感出来た。スローライフとか、ベジタリアンとか、憧れるけど、やっぱりお肉は美味しいんですよね。小説家の夫と、ロハスに目覚めた妻とのやりとりがおかしくてクスクスわらっちゃいました。
なんだかんだ言って、人間という生き物っていいよね、と思えた作品。
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