『波のうえの魔術師』石田衣良
『波のうえの魔術師』石田衣良 ★★★★☆
プータロー青年と謎の老人が銀行に仕掛けた罠とは?
奇妙な老紳士がマーケットという渦巻きにおれを引き込んでいく。二人で挑んだ「五週間戦争」の行き着く先は? 痛快経済サスペンス
時々むしょうに手に取りたくなる石田衣良さんの作品。難しいテーマをポップに優しく書いてくれる所に魅力を感じます。本書は、フジテレビ系の連続ドラマになったらしいですね。知らなかったです・・・。面白かっただろうな。
個人的にサクセスストーリーは大好き。大学を卒業しても就職せず、中途半端はパチプロとして日々を退屈に送っていた白戸則道は、ある日不思議な小塚と名乗る老人と出会い、一気に株の世界へと踏み込んで行く事になります。
まず、小塚老人が住んでいる家がなんだか夢みたいで素敵。外側はボロボロなのに、中に入るとものすごいお金がかかっている家・・・パソコンが何台もあって、そのモニターには株の波が絶え間なく動いている。想像しただけでなんだかうっとりしちゃいます。私自身が、株にもコンピューターにもめっぽう弱い(ブログを書くくらいが精一杯)ので、パソコン一つでお金を生み出せる人たちってすごいな~と思うのです。小塚老人がゆっくりと最高の豆で淹れてくれる珈琲が美味しそうで美味しそうで。。
白戸が株を勉強していく過程がとっても面白かったな。まずは朝刊を隅々まで読む事。気になる記事があったら切り抜いてファイルする事。それと株式欄からまつば銀行の前日の終値をノートに書き込む事。・・・たったこれだけなんです、最初は。他には一日に一つ小塚老人に質問をする事。これで月給25万だなんて!!私もやりたーい(笑)。
恋人のミチルは、株にのめり込んで行く彼を見て去ってしまうのですが、その気持ちはほんの少し分かります。急にすっごい遠い人になってしまったような。好きとかいう感情を通り越して他人になってしまう感覚かなあ。
ラストが、これまたびっくりなんだけど、白戸の未来は暗くはないし、なんとなく爽快な気分でした。
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